骨粗しょう症とは
現在の超高齢化社会では、骨粗しょう症の患者さんは1,000万人を超えると言われています。
そのうち女性は800万人を超え、50歳以上の女性の4人に1人が骨粗鬆症となっています。
骨粗鬆症になると、軽微な怪我で骨折しやすくなります。骨折が生じると、活動性が下がるだけではなく、生命予後が悪化することが分かってきています。
患者さんの中でも高年齢の女性が多い理由は、閉経によるエストロゲン(女性ホルモン)の減少が挙げられます。女性ホルモンには骨の新陳代謝に際して骨吸収のスピードを緩めるといった効果があるのですが、これが減少することで骨吸収のスピードは速まり、そのことで骨形成が追いつかなくなり、やがて骨はもろくなっていくのです。
女性は多くの場合、個人差はありますが、更年期(45~55歳頃)に閉経を迎えますので、50歳前後に一度検査を受けることをお勧めします。
症状が進行すると、ちょっとした転倒でも骨折するようになります。なかでも背中(骨粗鬆症性椎体骨折)、脚の付け根(大腿骨頸部骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)が折れやすく、場合によっては寝たきりになることもあります。
このほか高年齢の女性でなくても、無理なダイエット、不摂生な生活習慣、特定の病気(関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病、動脈硬化など)や薬の副作用(ステロイド薬の長期服用など)で発症することがあります。
検査について
当クリニックでは『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』で推奨される、腰椎・大腿骨の骨密度をDEXA法で測定ができる測定装置を完備しています。
正確な骨密度の測定と、骨代謝マーカー測定を定期的に行うことで、患者さんに最適な治療を行っていきます。
骨代謝マーカーと骨密度を定期的にチェックし、最適な治療をなどがあります。多くの場合、骨密度(骨の強さを判定するための指標)や骨折の有無などが判断基準となります。
治療法について
骨粗しょう症については、専門的な治療や適切な生活改善を行えば、骨密度の減少を改善し、骨折リスクを大幅に減少させることが可能です。つまり食事や運動といった生活習慣も大きく関係しているのです。そのため「骨の生活習慣病」とも言われ、食事・運動療法もこの病気の予防と改善には欠かせないのです。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは紫外線を浴びることで体内でも作られます。
適度な日光浴は骨の健康に役立ちます。
夏であれば木陰で30分程度、冬であれば30分~1時間程度散歩にでかけるだけで十分です。
なお、医師から骨粗鬆症の診断を受けた場合は、治療の中心は薬物療法となります。